立宮君は、病院に行きたがらなかった。
だから、ついていた。
お家の車が来るまで、冷静なあたしは立宮君の傍にいた。
立宮君を見送って、学校に戻ったあたしは、立宮先生が戻ってきたことを知り、ツバキと走って準備室に行った。
「ナデシコは?!」
「うん。大丈夫。今は崎先生とお家に向かってると思うよ」
「そっか!よかった!」
あたし達は心からホッとした。
「あ、と。景をありがとう」
立宮先生が優しく微笑んであたしを見たから……
立宮君と同じ瞳が優しくあたしを見たから……
なんで今なんだろう。
なんで今、涙が出てくるんだろう。
本人の前で泣いていたなら、少しは良く思われたかもしれないのに。


