この空間にいるのが 私には苦しく耐えられない。 鞄を持ち、靴を履き 家を飛び出すように出る。 玄関を開けた瞬間 暖かい風がひなたを包む。 (…今日は屋上に直行かな。) 金髪に近い茶色の 長い髪が春風に揺れる。 濃いメイクにミニスカート 胸元の開いたYシャツ。 派手だと言われる容姿で いつだって私は目立ってた。 私の学校は有名私立だけど 悪い噂は絶えなかった。 援交、いじめ、暴力 好き勝手な奴らの集まり。 でも私にとってここは 居心地のいい場所だった。 唯一の居場所だった。