マジック・エンジェルほたる

「馬なんて…いったいどこにいるっていうの?!」
「馬じゃなきゃ……カンガルーに蹴られてっ!」
「ここはオーストラリアかしら?」
「…じゃあ……ジャッキー・チェンにでも蹴られて死んじゃえーっ!」
「あんた香港映画の観すぎよ」
「…まぁね」セーラはそううなづいてから、熱意をこめて祈るようにいった。「…とにかく、やるしかないのよ!封印よ、由香ちゃん!!」
「…え?でも…さぁ」
 由香は躊躇しながらも赤色のお札に手をかけた。そして、ゆっくりゆっくり頭上へと振り上げた。…もおっ、やりゃあいいんでしょう!
「えぇーと」
 あ!そうだ!
「…お札よ間男を封印せよ!」
「……あのねぇ。間男じゃなくて魔物!お札よ、魔物を封印せよ!」
 セーラは呆れて、抑圧のある声で叫んだ。
「馬鹿じゃないの?!」
「………もおっ、わかってるわよ。今のはギャグよ、ギャグ!やりゃあいいんでしょ?!」 由香は大きく息を吸いってから、
「お札よ、魔物を封印せよ!」
 と、燐とした声で叫んだ。次の瞬間、カッと頭上にかざしたお札から赤色に輝く閃光が四方八方に飛び散り、しだいに由香の身体を包み込んだ。そして、赤色の光が消えると、フィーロスめがけて光が飛んだ。あの由香が伝説の戦士マジックエンジェルの仲間となったのだ。由香は、心臓が早鐘のように高鳴るのを感じた。
 セーラは由香に伝説の戦士のことなどを耳打ちした。そして、
「とにかく、あの通り…蛍ちゃんが危ないわ!はやくいって闘うのよ!」と、大声で命令した。