朋は台所に立つとカレーを温め始めた。



「優にぃ、風呂?」



空がゲームをしたまま聞く。



「うん。ちょうど降られたみたいでさ。駿にぃは大丈夫なのかなぁ」



カレーのいい匂いが立ち込めて来る。



「駿にぃ、女と会ってんじゃないの?雨に濡れるような場所にはいないんじゃない?」



空が意味深な言い方で話を膨らませる。



「えっ?駿にぃ、女いるの?」



朋が簡単に乗って来る。



「あのルックスで女子校の教師。女がいない訳ないだろ?」



ゲームからは決して目を離さない。



「えーっ!!じゃあ、生徒とって事!?」



「そこまでは言ってないけど。でもまぁ、女には困らないんじゃないかって話だよ」



「生徒とはマズイよ!!絶対にマズイ!駿にぃに限ってそれはない!!」



「何熱くなってんの?駿にぃも男だよ」



カレーがいい具合に温まった。