「優にぃ、お帰り!…うわぁ、濡れてるなぁ」
朋が鍵を開ける音を聞き付けて、急いで玄関に出て来た。
「ただいま。ちょうど降り出しちゃってさぁ」
髪の先から滴がポタポタ落ちている。
「とりあえずこれで拭いて。先にお風呂入るといいよ」
朋は用意していたタオルを手渡す。
「ありがとう。そうする。…みんなは?」
受け取ったタオルでまっ先に封筒を拭き、髪と体をザッと撫でた。
「駿にぃはまだ。遅くなるって連絡あったよ。空はゲームしてるし、スバルは寝た」
「そっか。駿はまだか…。スバルは寝てるんだな」
優は小さな声で呟くと、風呂場へ入って行った。