長い、川の1本道を2人は歩いて行く。



大きな桜の木が何本も立ち並び、空間を埋めていた。



「おい、あそこ!」



「何?」



「後ろ姿、チョ~良くね?」



スバル達の10mほど先を数人の生徒が歩いている。



「どれ?」



「ほら、あの、髪が長い子」



「後ろ姿がいいヤツは大抵がっかりするんだよ」



スバルは全く取り合わない。



「スタイル、イイ!きっと、可愛いって!」



「同じ学校だろ?そんな可愛いヤツいたら、お前気付いてるだろ?」



「いやいや。学年が違えば見落としてる可能性もある。俺、ちょっと見てくる」



「止めとけよ。相手も可哀想だろ」



スバルの長めの黒い髪が桜の花びらと共に風に揺れた。