妹A ~5人兄弟+1~


―ふたり―



つかさは決して並んでは歩かなかった。



1歩後ろをついて行く。



「オレ、バイトだから相手してやれねぇけど」



前を向いたままスバルが言った。



「いいよ。本屋にさえ連れて行ってくれれば。まさか、『オレが終わるまで待ってろ!!』とかドSぶって言わないでよ」



チラッとスバルを見て、笑う。



「バカ!言うわけないだろ!」



「フフフ…。そうよねぇ~。ただのクラスメートにそんな事強要したらセクハラよねぇ~」



流し目が色っぽい。



「い…いい加減にしろよ!お前、それ以上おちょくったらほんとに押し倒すからな!」



「へぇ~。口では大胆な事言うのね。そんな勇気、これっぽっちもないくせに」



「お前…なぁ!」



「大丈夫よ。すぐに帰るから。スバルのお仕事の邪魔はしないって」



「セクハラとかそういう都合のいい言葉はすぐ覚えるんだな…」



「何?」



「いや…で、お前どんな本探してるんだよ」



「ヒ・ミ・ツ♪」