―ふたり―
つかさは決して並んでは歩かなかった。
1歩後ろをついて行く。
「オレ、バイトだから相手してやれねぇけど」
前を向いたままスバルが言った。
「いいよ。本屋にさえ連れて行ってくれれば。まさか、『オレが終わるまで待ってろ!!』とかドSぶって言わないでよ」
チラッとスバルを見て、笑う。
「バカ!言うわけないだろ!」
「フフフ…。そうよねぇ~。ただのクラスメートにそんな事強要したらセクハラよねぇ~」
流し目が色っぽい。
「い…いい加減にしろよ!お前、それ以上おちょくったらほんとに押し倒すからな!」
「へぇ~。口では大胆な事言うのね。そんな勇気、これっぽっちもないくせに」
「お前…なぁ!」
「大丈夫よ。すぐに帰るから。スバルのお仕事の邪魔はしないって」
「セクハラとかそういう都合のいい言葉はすぐ覚えるんだな…」
「何?」
「いや…で、お前どんな本探してるんだよ」
「ヒ・ミ・ツ♪」

