妹A ~5人兄弟+1~

「お前なぁ…。もう、いい。行くぞ」



スバルはまだ少し赤い頬を見られないように先に歩き出した。



「はぁい」



つかさは嬉しそうに少し後ろをついて行く。




「何?あれ?」



「ちょっと…、今の誰よ?」



2人が歩き出すと近くにいた女子生徒達がざわざわと騒ぎ始めた。



「麗花は?」



生徒達の目が一斉に校門の側にいた麗花に注がれる。



麗花はきょとんとして立ち尽くしていた。



「今の…誰?私…、まだ手だって繋いだ事ないのよ…」



右手には映画のチケットが2枚、握られている。



「ス…バル!」



背中に、追いかけるように叫んだ。