―放課後―
「スバル、今日バイトか?」
「おぉ。先、帰るわ」
「そっか。あっ…廊下で麗花、見かけたけど」
「そっ?」
視線も合わさず素っ気なく言う。
「冷たい言い方するなぁ。取ってもいいのか?」
「関係ねぇよ」
スバルは鞄を掴むと、後ろ向きのまま手を振って教室を出た。
「マジで付き合ってないのか?あの2人…」
遥斗は首をかしげながらスバルの後ろ姿を見送った。
まだ教室には数人の生徒が残っている。
遥斗はさりげなく、つかさの机の側に来た。
素早く周囲をチェックする。
まだ鞄が掛けてあった。
「よし!」
遥斗は残っている男子生徒達の雑談の輪に、自然に入って行った。
そして、ちゃんとつかさを確認出来る位置の机の上に乗っかった。

