妹A ~5人兄弟+1~


―放課後―



「スバル、今日バイトか?」



「おぉ。先、帰るわ」



「そっか。あっ…廊下で麗花、見かけたけど」



「そっ?」



視線も合わさず素っ気なく言う。



「冷たい言い方するなぁ。取ってもいいのか?」



「関係ねぇよ」



スバルは鞄を掴むと、後ろ向きのまま手を振って教室を出た。



「マジで付き合ってないのか?あの2人…」



遥斗は首をかしげながらスバルの後ろ姿を見送った。




まだ教室には数人の生徒が残っている。



遥斗はさりげなく、つかさの机の側に来た。



素早く周囲をチェックする。



まだ鞄が掛けてあった。



「よし!」



遥斗は残っている男子生徒達の雑談の輪に、自然に入って行った。



そして、ちゃんとつかさを確認出来る位置の机の上に乗っかった。