妹A ~5人兄弟+1~

駿は散らかっているテーブルを手際よく片付けると、テレビの上の写真立てを見た。


父と母と小さい5人の兄弟たち。
そして母の腕の中には生まれたばかりのカワイイ赤ちゃん。



「妹Aかぁ…」



どんな子になってるか想像しようにも記憶が足りな過ぎた。



「うちの学校の生徒みたいな感じかな?」



私立の女子高で国語を教えている駿は、何となく今風な女の子を描いた。



「…いや、もしかすると真面目が服着てるような子かもしれないよな。いや、…無事ならいいんだ。幸せだと分かればいいんだ…」



赤ちゃんが連れて行かれた日の事をぼんやり思い出していた。