―本心―




「優にぃ、遅いね」



晩御飯のカレー皿を片付けながら朋が心配そうに言った。



「スバル、優にぃ、店に来てなかったんだろ?」



「昼頃、休みの連絡があったらしいけど」



チラッと駿に目をやりながらスバルが答えた。



「そうか…」



駿は9時を過ぎている時計を見つめた。



(何かあったのか?)



妹の家に行くと言っていた優。



こんな時間まで何があったんだろう。



胸騒ぎがして落ち着かない。



空もさっきから雑誌の同じページを開いたまま。



みんなが同じ思いで優の帰りを待っていた。