昼を過ぎた頃、スバルが台所に下りて来た。
「おはよう。みんなは?もう行ったの?」
1人で雑誌を読んでいる空に聞いた。
「おはようって…もう昼だよ。みんな行ったよ。駿にぃも朋にぃも先生なのに夏休みも学校あって大変だよな」
空は笑って言いながら、スバルの為に紅茶を淹れ始めた。
「空にぃの紅茶、久しぶりだなぁ。その…最後の1滴にそそられる」
「お前も分かって来たな」
2人で顔を見合わせてクスッと笑った。
丁寧に注がれた空の自慢の紅茶。
スバルは香りを楽しんだ後、ゆっくりと一口含んだ。
「暑い時に飲む熱い紅茶って最高だな。…落ち着くよ。こういうのは心にゆとりが無いと飲めないよな?」
「スバルはゆとり、あるのか?」
空は出来るだけ平静を装って聞いた。
「あぁ。一皮も二皮も剥けて、かなり大人な気分だからな」
1人で満足げに言う。
「何の話だよ」
空はクスッと笑った。

