妹A ~5人兄弟+1~


―透明な朝―




「スバルは?」



出掛ける支度をした優が台所に入って来た。



「さっき帰って来て部屋にいるよ。寝てるかもしんないけど」



台所でテレビを観ながら、マーガリンをたっぷり塗ったトーストを食べていた朋が返事をした。



「あっ、バイトは行くって言ってたよ。優にぃも仕事だよね?」



「うん。今日さ、ちょっと遅くなる」



「用事?」



朋がテレビから目を離す。



「うん。頼んでた探偵事務所に行って来る」



「妹の事?」



少し空気が重くなった気がした。



「あちらのご両親にも会っておきたいしな。ちゃんとお礼を言わなきゃな」



優の優しい笑顔も今は苦しく映る。



「そう…だね」



朋がうつむいたのは、今の兄弟の状態があまりにも辛過ぎて、言葉を発する事を無意識に拒否したから。



「妹をなるべく傷付けたくないからな。あちらとの話し合いで、もしかしたら今は教えないかもしれない」



優は静かに、自分に語りかけるように話す。



「優にぃ、それでいいの?」



たまらず朋がぶつけた。