妹A ~5人兄弟+1~

「待って!」



静かな夜道に空の声が響く。



つかさは今度は振り返らず立ち止まった。



「最後にひとつだけ教えて」



つかさの後ろ姿は動かない。



「どっちが…好きなの?」



低くなった声のトーンと険しい顔。




前を向いたままのつかさの足元に、ポトリと小さな粒が落ちた。



「あなたはいったい…」



空は少しだけ眉間にしわを寄せた。



「傷付いてるのは…あなたのお兄さんだけじゃない!悩んでるのはあなたのお兄さんだけじゃない!2人が兄弟だって分かってショックだったのは私も同じよ。その上、その2人と……実は兄妹だったなんて爆弾発言までされて。…意味分かんないよ。私は…私は、今、立っているのがやっとなの!!もういい加減にして!!!これ以上聞きたいのなら、投げ飛ばす!!私、柔道黒帯なんだからね」



つかさの振り絞るような叫びが川のせせらぎさえ消した。