「お兄さん…」
「ん?」
「優しそうな人よね」
つかさはつい優の事を口にしてしまった。
わざわざ触れなくてもいいのに、気になる気持ちを抑えられなかった。
「あぁ。そう見えるだろ?まぁ、見たまんま。優にぃは兄弟で1番優しくて、1番苦労してる」
スバルのその口調から、優を慕っている事がよく分かった。
「…そうなんだ」
砂利を踏み締める音が夜風に響く。
「小さい頃からオレ達の親代わりで、ずっと頑張ってくれたんだ。愚痴ひとつ言わないで。いつだってみんなが1番で、自分は最後。そういう人なんだ。だから、優にぃに好きな人が出来たら…絶対結婚して欲しいって思ってる。絶対幸せになって欲しい」
「好きな…人」
つかさの胸がズキンと疼く。
「それがさ、最近、出来たらしいんだ。他の兄貴達が話してた」
「………」
つかさはずっと地面を見ながら歩いている。
何故か乱れる自分の気持ちに戸惑っていた。

