―兄弟―



「駿にぃ、」



朋がゆっくり口を開いた。



「何?」



「見つかると思う?」



駿は読んでいた新聞をテーブルに置いてため息をついた。



「…正直、オレはもう難しいと思う。でも優にぃは絶対に探し出すつもりだからな」



「そうだね。もう何年経つっけ?」



「15、6年」



存在を消すかのように黙ってマンガを読みふけっていた空が答えた。



「15、6年か。早いな」



駿が天井を見つめしみじみ呟く。



「早いね」



「今いくつだろ?」



「16だよ」



漫画から目を離さず、また空が答える。



「って事は高2?」



「はっ?…アハハ!!」



朋が驚きながら笑った。



「兄弟で同じ学年が2人いるよ!!」



駿が目をくりくりさせて爆笑する。