―哀しい傷―
川のせせらぎに耳を澄ませながら、川沿いの道をゆっくり優は歩いた。
「昔はよくスバルと歩いたな」
まだ小さいスバルの手を引いて、何度この道を通っただろう。
保育所へもスーパーへも、いつもこの道を小さな手を繋いで歩いた。
いつからだろう。
スバルの手が離れたのは。
懐かしい想いからふと立ち止まる。
綺麗に輝く月と、川が街灯の灯りを受けて水面をキラキラさせている様子をじっと見ていたせいで、優の心は子供の頃に戻っていた。
昼間の暑さとは反対に、心地良い気温に下がった夜が優は好きだった。
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