「気持ちいい~!ほら、スバルも!」



つかさはスバルの左手を掴んだ。



「えぇっ?」



そしてそのまま強引に立たせた。



「ねっ、気持ちいいでしょ?」



眩しい陽射しが体中に活力を与え、風が心地良く体を包む。



つかさがふと、スバルの背中に顔を寄せた。



「スバル、風の匂いがする…」



「…!!!」



あの甘い香りをすぐ側に感じる。



「お、おい…何やってんだよ!」



いきなり、つかさが抱きついて来た。



「何考えてんだよ!」



そう言いながらも、その手を振りほどこうとしない。



スバルがそーっとつかさの手を握ろうとした瞬間、つかさがパッと離れた。



「早くしないと遅れるね。次、音楽でしょ?」



「あ、あぁ…」



何とも体裁の悪い顔で頷いた。