お好み焼きがジューッと焼ける音が鼓膜を心地良く刺激して行く。
鉄板で弾ける細かい響きまで正確に伝えて来るのがたまらない。
「半分、交換しない?」
朋が出来立てのお好み焼きをじっと見つめながら言った。
「いいけど、頼んだの朋と一緒のミックスのはずだけど」
不思議そうな顔で、駿が朋を見る。
「いや。微妙に違う。あの女の店員、絶対駿にぃにエビ多めに入れてた」
カウンター席の客のグラスに水を注ぎながら、チラチラこちらを見ている若い女の店員がいた。
「細かいなぁ。気のせいだって。ほら、どう見ても一緒だろ?」
どう見ても、駿のお好み焼きの方が具が多い。
「駿にぃ…、父さんと母さんに感謝しなよ」
「何を?」
要求通り、駿はお好み焼きを半分に切っている最中。
「顔だけは運だもんな。駿にぃ見てると得だなぁって思うよ」
駿から半分もらうと、「ありが・と♪」と、朋も半分駿に渡した。
「オレは顔だけか?…オレ人並みだと思うよ」
「殴るよ」

