妹A ~5人兄弟+1~

教室のドアを開けて入ろうとした時、誰かが横を風のように通り過ぎた。




「バカね」



「えっ?」



確かに今、耳元で声がした。



「…誰?」



フワァ~っと、またあの甘い香りが鼻をくすぐって行く。



「夏川…つかさ?」



スバルはつかさの均整のとれた後ろ姿を目で追った。



つかさは何事もなかったかのように席につく。



「バカ…って言った?」




つかさのほのかに甘い香りは、スバルの食欲を軽く刺激した。



2つの獲物を逃したスバルは肩を落として席についた。




「朋にぃの弁当だけじゃ、昼から生きて行けねぇな…」



指先でシャーペンをクルッと1回、回した。