妹A ~5人兄弟+1~

麗花がスバルの手を引いて廊下に出た。



嬉しそうにポケットから何かを取り出す。



「ジャーン!前に言ってた映画のチケット!」



「手に入ったのか!?」


スバルの目が輝く。



「もちろん。パパの知り合いに頼んでやっと2枚だけもらえたんだから」



「2枚?」



「そっ。ちょうど2枚。ラッキーだったわ」



嬉しそうにスバルの横に並ぶ。


「ラッキーじゃないだろ?3枚じゃないとお前の分、ないだろ?」



「えっ?」



「えっ?」



「誰と誰の事言ってるの?」



「オレと遥斗…だろ?」



「マジで言ってる?」



麗花がいらついて行く。



「何が?」



本当に意味が分からないスバル。



「…もういい。返して。今日はお弁当、一人で食べてよ!」



怒り出した麗花はスバルからチケットを引ったくった。



「何だよ。マジで意味分かんねぇ」



走って行く麗花の背中に呟いた。



「オレの弁当……は?」