「何だよ。それ」



スバルはちょっと笑って取り合わなかった。



「スバルには麗花がいるだろ」



「麗花?どういう意味だよ」



「学校の可愛い子、お前が全部持ってくなんて許さないからな」



「待てって。それは誤解だって。麗花とは何でもない」




「スバル!」



その時、教室の後ろのドアからスバルを呼ぶ声がした。



「ほら来た。これ以上、どんな言い訳すんだよ」



肩までの髪に緩いくせ毛が可愛らしい。



目がぱっちりとして、誰が見ても可愛いと言うだろう。



城崎 麗花(しろさき れいか)、2年C組。



「スバル!」



笑いながら手を振ってスバルを呼ぶ。



スバルはフッとつかさを探した。



いない。



「ふぅ…」



スバルは小さくため息をつく。



(何で気にしてる?)