「ねぇ、」
「ん?」
2人の眼下に広がる海原は思わず吸い込まれてしまいそうな程、碧さが美しい。
「どれくらい魚いると思う?」
「どれくらいだろ?見えたら面白いのにな」
「でも、透明で底まで見えたら反対に気持ち悪いかな?」
「いや、面白いよ。深海魚とかさ、見たくない?リュウグウノツカイとか…1度見てみたい」
「リュウグウノツカイ?」
理彩は難しそうな顔をする。
「興味ないか。深海魚。理彩なら熱帯魚の方がイイよな?」
駿は風になびいている理彩の髪を撫でた。
「カクレクマノミとか?でも深海魚も興味ある。…あっ!やっぱりウミガメが見たいかも」
さりげなく駿の腕を掴む。
「ウミガメか…。そうだな。深い海の底まで潜って行けたらな。光りも届かないくらい…」
駿は大きな瞳で静かに波打つ海面を見つめた。
「駿?」

