聖夜さんのビックリした顔が気になったけど・・・とにかく舜の魂を運ばなくちゃ。
私はルートの入り口に入ると・・・息を呑んだ。
ここを・・・・・行くの?
私の目の前に広がったのは、果てしなく続く暗い道と雷鳴・・・。
まっすぐな道のはずなのに・・・出口が見えない。
・・・ダメかもしれない・・・届けることが出来ないかもしれない・・・。
私は舜の魂の入った袋をギュウっと抱きしめて目を閉じる。
『未紅・・・』
大好きな舜の笑顔。
優しく温かいぬくもり。
『りっぱな天使になるんだぞ』
交わした約束。
『‥‥愛してるよ』
自分の命より私の未来を大切にしてくれた舜。
私に優しさと強さを教えてくれた舜の為に・・・。
・・・・行く!
息を思いっきり吸い込み・・・羽を広げた。
そして私は神へのルートを出発した。
「うっ・・・・きゃ・・・・」
風が強く気が緩むと飛ばされそうになる。
雨は針のように私の体を突き刺す・・・。
「はぁ・・・・はぁ・・・」
痛い・・・苦しい・・・。
それでも聖夜さんが被せてくれたマントがあって良かった。
そのおかげでなんとか前に進めてる。
・・・そして首からかけた袋も。
飛ぶことに集中できるから。
・・・それにしても痛い・・・。
その時
ピカッ・・・と光ったと思ったら
「うぁ!・・・うう!!」
ビリビリっと何かを感じた瞬間体に衝撃が走る。
雷に触れてしまったようで・・・マントが少し切れてしまった。
切れたところから雨が入る・・・痛い・・・。
「はぁ・・・・はぁ・・・・痛い・・・苦しい・・・・」
どのくらい進んだのだろうか・・・・全く前が見えない。
出口なんて程遠い・・・。
痛さと苦しさで・・・意識が飛びそうになる。