「彼は悲しくありませんでした。
人に聞けないのなら自分で表に出る方法を考える事にしました。
さてどうやってここから出ようか。」

(んー?)
首をこてんと傾けてるだろう春から、唸り声が聞こえる。

僕は手をポンと叩き、続きを話した。
「そうだ!
表に出るために器を壊そう。」

(うつわ?)
また首をこてんと傾けて唸り始める春。