玄関に向かうおれの少し後をついてくる君


期待はもうしないけれど


最後に顔くらい見せてくれる気持ちは嬉しかった




じゃぁ、元気で



そういってノブにかかる手に力を入れドアをあける



これ、あげるわ



無機質な君の声に振り返る



相変わらずな無表情の君の手には小さな赤い箱がのせられていた