鮮やかだった世界が、だんだんと色を失っていく。
それに溶けてしまうように、みんなの身体も、少しづつ透明になっていった。
「もう、言いたい事は言えたみたいね…?
きっとまた目覚めたら、我慢を重ね過ぎてパンクする様な事は無いと思うから。
でも、我慢のし過ぎはダメよ?」
「うん…」
「俺たちの分まで幸せになれよ。あと、ちゃんと歯ァ磨けよー!」
「うん…」
「……あたし、ホントはお兄ちゃんの事、大好きだよ」
「…俺もだよ、月」
「いつまでも見守っているから」
だから――――――
「生きて、太陽……」
ありがとう、ありがとう
言葉だけでは足りないけど、俺…
みんなの家族で良かった。
涙を拭いて、真っ白になった世界の上を見上げる。
その場所は、この世界で唯一色を持っていた。
それを目指して、今戻るよ、ルナ……――――――――。
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