最初に口を開いたのは、ルナだった。


いつものあっけらかんとした表情などは微塵も無く


別人とも思える位に深刻な表情(かお)をしていた。



「知りたい。私は、“愛”を知らない。

それが地球人達にしか分からないものだったとしても


知る事で私にもその感情が芽生えるのなら。



…故郷(くに)に帰れなくてもいいと思っています。


私には、故郷を捨ててでも知りたいものになっているんです」



言った彼女の瞳の奥に、炎のように熱いものを見た気がする。



きっと、ここ何週間かを地球で過ごすようになり、彼女自身が知りえなかった情報を欲するようになったのだろう。


“愛”。



それは、地球に住む者にとっては欠けてはならない感情の一部だ。



「……私も。教えて欲しい。


アローマデンクに未練が無いわけじゃないけど…。


ルナが、一緒だから。


それに、知る事はガンマにとって、大いなる進歩だから。



……冬タナでヤン様が言ってた『アイシテル』の言葉の意味も理解できなくて困ってたし」



アイユ…!!

お前までそう言うなんて。

ヤン様の威力ハンパねぇー!!