お父さんと一緒に夕飯の片付けをした。

私が洗い物をしていたら、お父さんが隣にきて、

お皿をふきながらため息をついた。



「はあ…。やっとお母さんが美音に会ったな」



「うん。でも、お母さん全然しゃべってくれないね」



「あぁ…そうなんだよ。
あれからずっとお母さんの寝室のドアの前から父さん話しかけていたんだけど、なんの返事もなくてな。

でも昼ご飯を食べに
リビングに出てくるようにはなって。
でも全然しゃべらないんだよ」




「そっか…」




洗い物が全部終わった。




「お父さんすごいね」


「は?何がだ?」


「お母さんにいつも一生懸命ご飯作ってあげて。

返事がなくても毎日話しかけてあげて。

愛しているんだね。お母さんのこと」




「いや…今までの償いさ…」






お父さんは一瞬、悲しそうな顔をした。




「じゃあ、私部屋いくね」



「あぁ。早く寝なさい」




「わかった」




私は2階へと、階段をのぼった。