4月 3年生に進級してクラス替えがあり、あたしは篤斗と同じクラスになった。 あたしと篤斗は出席番号の関係で、席が隣になった。 最初は無愛想で、何だか恐かった。 話すこともなく、あたしはただただ、次の席替えを待つばかりだった。 そんなある日。 「教科書忘れちったから見してくんね?」 初めてちゃんと聞いた篤斗の声。 低くて通る、色気のある声。 あたしはドキっとした。 「う、うん」 どーも、と言う篤斗にあたしは顔を向けられなかった。 #