姫様とウサ耳はえた金髪童顔



「悪かった、言い過ぎた」


「謝らなくてもいいですよー。最初から微塵も気にしていませんし。ああ、仮にも、もしもの話ですが。私が怒っていたとしても、今のでなかったことにしているでしょう。あまり根に持たないたちなので、私は」


「そうであることを信じるよ」


機嫌を逆なでちゃあ面倒だ、とアダムはもう姫に対して何も言わなかった。


だが、アダムの意識はクロスに向く。向けられた目に、警戒したクロス。ぴーんとしたウサ耳で、そのことはよく分かった。


「あんたまでそう毛嫌いすんなよ。戦い、共に生きた仲だ。そんな奴にちょっとした忠告をしたくてよ」


「忠告……?」


「ジョーカーのトランプ兵に気をつけろ」


クロスのウサ耳の緊張がとける。わけが分からないとした感情が、耳を垂れさせていた。