姫様とウサ耳はえた金髪童顔



垂れネコらしく、ぐってりと頭に乗るものをうっとうしそうにしたアダムだったが。


「たく、こいつを人質するなんて、やっぱりあんたは最悪だな。大事な奴からの貰いもんなんだよ、こいつは」


「最悪だなんて、初めて言われましたよ。しくしく、クロス、私は最悪でしょうか」


「な、なにを言いますか!姫は最高です、素晴らしい人です、偉大なる人だと俺は街の真ん中、大声で宣言しますよ!」


「あ、いえ……。そこまではさすがに恥ずかしいので。ともかくも、ミーさん。すみませんねえ、これあげますから許して下さい」


はい、とミーではなくアダムに姫はそれを渡した。猫じゃらし。確認するなり、ミーはアダムの手に乗った。


こなれた感じで、片腕で猫を抱きながら、もう片手は猫じゃらしを振るアダム。大切にされているとは、どうやら本当らしい。


「ミー」


「おお、許してもらえますか。心が広いお方だ、あなたのご主人様と違って」


「ずいぶん嫌われちまったみたいだな……」


「いえいえ、あなたの戯言(たわごと)程度では怒る気になりませんよ。ただ、すこーし、傷ついただけです」