「…………」
「立派な殺人鬼だった。人を物としか見ない、いかれた奴。『人間は電池が入ったおもちゃだ、だから私は電池を抜くチャンスをうかがっている』俺が会ったある殺人鬼の言葉だ。
人間をおもちゃと思っている。だからこそ、怖くなんかないし。他人の人殺しもおもちゃの戦争だとして、“観測”してんだ。
冷静に、冷ややかに、高みの見物とはよく言ったものだな」
「っ、黙れよ!姫に対してなんてことを――」
取り乱したクロスを、姫本人が手で止める。
姫、と不安げな声をあげた彼に見向きもせず。
「ふふ、ならば、“それらしく”振る舞いましょうか。恐ろしい殺人鬼として」
「――あ?」
アダムがいぶかしんだのも無理ない。何か黒々しい言葉を吐いたみたいだが――抱いていた猫を掲げられては反応に困る。


