白髪の目はクロスだけにある。獲物を見る目は、か弱い動物を見るのと変わらず――白髪はこの状況を楽しんでいた。
姫に手を出さないとなれば、ありがたいことではあるが。
「銃をおさめてもらいましょうか。でなければ、あなたは“私の相手”をすることになる」
姫で言うところの大切な人が殺されそうになっているのだ、彼女がおめおめと引き下がるはずがない。
聞いた白髪が鼻で笑う。脅しめいた口調をされても、白髪は姫に目配せもしなかった。
「おいおいおい。大人しくどっか行ってろよ。銃持っている奴の善意を無駄にすんな。
女殺すのは極力避けたい。あんたみたいな美人ならなおさらだ」
「余裕口になるのは致し方ありませんが、あまり私を怒らせないでほしい。殺すことはしませんが、あなたを後悔させることは出来るのですよ」


