「ところでだ、あんたたち、ここ通るのか。返答次第じゃ、流血沙汰になるんだけどよ」
目の前の男は、あからさまに敵となった。
クロスの気が引き締まる。男が片手から一つの凶器を出したのだから。
黒い拳銃。クロスにとっては見たこともない型だったが、人間を殺傷するには申し分ない代物。
銃口は向けられていないものの、出したのならばやる気はあるということだ。
「通ると言ったら、どうなる」
「ウサギ、あんたの腰にあるもんは飾りなのか」
「お前を切るぐらいのことは出きると言ったら」
「上出来だ」
笑い、こりゃあいいと白髪が前に出る。同時、クロスも剣を抜いた。
「姫、下がって!巻き込まれないように――って!」
後ろにいた姫が横に出る。思わず声を荒げてしまい、戻れと言ったが――彼女に至っては余裕めいた笑みを浮かべていた。


