洗濯ばさみにつるされたような猫を見ながら、白髪は呆れた口をきいていた。
「なに偉そうにしてやがる。散歩行って、迷って、わざわざ門まで連れてきてもらったくせによ。まったく、これで三度目だぞ。
いい加減、一人でぶらつくのはやめろ」
「ミィ……」
「あー、そこの二人。バカ猫が世話になったな。ここまで届けてくれてありがとよ」
気持ちが冷めていくとはこんな感覚なんだとクロスは味わっていた。
ついで、恥が出る。
今、自分は何をしていた?
思い返すだけで記憶から抹消したい。場の空気に呑まれたというか、近くにいる姫が今にも泣きそうな感じだったからつい感傷に。
「いえいえ、どうせ城に来る予定だったんで。お気になさらないで下さい」
「ちょ、ええっ」
泣きそうな姫がいつもの姫に戻っていた。
たまらず驚き、姫につめよるクロス。


