姫様とウサ耳はえた金髪童顔



「クロスの気持ちを私が知るよしもありませんが、私は彼が必要です。気に入らないと己自身に叱咤しようとも、私はそんなクロスも好いていてそばにいたい。

クロスは私にとっての正真正銘の騎士なんですよ。代えがない、代えがきない、大切な人でしてね。

何よりも、私はクロスを弱いなど一度も思ったことはありませんよ」


聞かされたセリフで、泣きそうになった。

主君から言われる騎士としての存在意義。


騎士のプライドがあるクロスにとっては、その言葉だけで命をはれるようなものだった。


感激のあまり言葉なくしていれば、主催者が返答をする。


「知ってますとも。だから私は、彼を騎士様と呼んでいるんだ。ただ、愚かにも大切にしてくれてる人の前で、己を傷つけようとしたから、ちょいとね。

騎士様、今ので分かったと思うが、いくら力及ばないと当人が思っていても。案外、守りたいモノは十分すぎると受け取ってたりするんだぞ」