姫様とウサ耳はえた金髪童顔



言い返せなかった。唇を噛みそうな気持ちになる。


己自身の気に入らないところ、ああ、ここで繋がるのかとクロスは知った。


精進し、鍛錬してもまだ足りないと教えているらしかった。


怠けていたつもりはない、だが考えが甘かった。ひとりの人を守るにはもっと確かな力が必要らしい。


それすらも持っていない奴が騎士と名乗るなとこのだらしのない姿が言い、力ないものが姫のそばにいるなと役柄が彼女から離れるように言っている。


「っ……」


悔しかった。
力はないかもしれないが、クロスの想いは誰よりも姫を守りたいと形づいている。


想いに行動がついていかない。肉体の強化が想い一つで最強になるかも分からないが。


「主催者さん、少し訂正を」


「姫……」


声出した姫をクロスが見れば、やんわりとした笑みを彼女は浮かべていた。