姫様とウサ耳はえた金髪童顔



「待たせた、悪かった」


少しも悪びれていない感じだが、他人に対して謝罪を言うロードは珍しいものだった。


謝罪したあとに、持っていたお盆から湯のみを主催者に差し出す。


中には緑色した液体。見るなり主催者は、ありがとうよと喜んでいた。


ずずっ、と飲む。やはり紅茶は嫌いだったらしく、湯のみの煎茶を飲んだあとの顔は口元のシワが一本増えたぐらいに落ち着いた表情になっていた。


「栗ようかんだ。初めて作ったから美味いかどうかは知らん」


「悪いな。どうにも私は、ケーキとか西洋菓子は好かないから助かる」


「最初から言ってくれれば、ケーキなど作らなかった。遠慮せずに気兼ねなくでいい」


「別にそっちも気ぃ使わなくていいぞ。お茶会の準備してくれるのは嬉しいが、まあ、休め。知り合いなんだ、私に構わず話せばいい」