道なき獣道にも入った。 自分の身長と同じぐらいの木々が並ぶやはり可笑しな場所。 構ってられるかっ、と彼は背を低くしながら進むわけだが。 「いでっ……」 頭上から激痛が走った。 しゃがみこみ、一体何が当たったんだと頭を撫でてみて。 「…………………、え」 また触る。 何度も触った。その“異物”に。 痛みはその異物からくるわけだが、どうやら木々を通り抜ける時これが引っかかったよう。 でも、引っかかるどころか。 「え、……はっ、え?」 頭にあってはいけないもの。