口を一文字にし、警戒態勢に似合う顔をするクロス――主催者は軽く笑った。
「騎士なんか信じないたちなんだが、へえ、立派な騎士様だ。まあ、私にとっては、女を必死こいて守ろうとする奴ぁ、そう見えてしまうがね」
「なっ、ち、ちが。お、俺は姫だから守るのであって、き、騎士が姫に、こ、恋などするっ、はずが」
「噛み噛みですよ、クロス。ほら、アップルティーでも飲んで落ち着きましょう」
はっ、とクロスが我に返れば、姫がお茶をカップに淹れているではないか。
俺がやりますっ、と言うのも遅く。姫はすでに自分のをついでいた。
一口飲み、彼女の微笑みが濃くなる。
「ああ、本当に美味しい。やはり私はこの紅茶が好きですね」
香りを楽しみながら、もう一口。自分と同じものなのだから、あちらもアップルティーだろう。


