おー、とクロスが思わず拍手をしたくなる。
銅像だと思った犬が初めて、目覚めたのだ。
やはり凛々しい顔を犬はしていた。耳から鼻先にかけてシャープなつくりになっているから、カップの紅茶を飲むのは楽そうだった。
パシャリと水滴が軽く跳ねるが、許容範囲だろう。
「すっげー、飲んでる」
「何も飲まない生物などいない。にしても、甘いのが好きなのかこいつは」
「多分は、かなりの甘々ちゃんみたいですねぇ。マンナカは」
「マンナカ……?」
クロスとロードの声が合う。
二人ともマンナカの意味を理解していないようで。
「この子の名前です。マンナカ、マンナカですよ」
解説してくれたことで、曖昧な返事をするしかなかった。


