「可愛いは、やっぱり嫌です……」
「じゃあ、かっこいい」
「んなとってつけたような言葉なんて」
「あなたはかっこいいですよ、とてもとても。かっこよくて、強くて、素晴らしい人。私の自慢の大切な人ですよ」
「っっ、俺は、そんな……!」
口がパクパクとしてしまう。姫に間近でそんなことを言ってもらえるのだ、嬉しいを通り越して、頭が爆発してしまう。
爆発寸前のところで、姫が手を引いた。
「お、俺も、姫が……た、大切です」
「嬉しいです」
クロスと違って何も変わらず微笑む彼女。地に置いてあった本を彼女は膝上に置いた。
「絵本、ですか?」
「はい」
「珍しいですね。絵本なんか読むなんて」
「子供に読み聞かせしたい絵本ですよ」


