「くそっ……、三人で帰るって言ったのはお前だろうが……!」
向かう途中、話しかけてもクロスは起き上がらない。
嫌な予感がしてきた。知らずと鼓動が早まるロード。やっと近づいた距離で、ロードはあることに気づいた。
「クロス……そんな……」
唖然とした、全ての気持ちがさぁと砂になって風で流れた気分を味わう。
だから、起きあがらなかったのかと。だから、返事しなかったのかと。
「人様に痛みでへばるなとか言いながら、なに貴様は泣きべそをかいているんだっ!」
「っ、うう……。仕方がねえだろ、頭もろにぶつけたんだから――、いたーっ」
バレたら仕方がねえと起き上がったクロスだったが、頭を押さえてうずくまる。
「あ、頭が……」
「いっそうのこと死に失せろ、この童顔ウサ耳が!」
弱り果ててウサ耳を垂れさせるクロスに更なる非道。ロードが彼を足蹴にした。


