「任せておけ!」
ロードの信頼をその手に取った。
投げる方も、受け取る方も、難解たるこの受け渡し。
投げる方に至っては、動き続ける的に狙いを定めなければできず。
受け取る方に至っては、向かってくる刃を素手で捕らえる勇気と反射神経が必要だ。
生半可のことではできない。――だが、できると思ったのだ。
“あいつなら”
だから両者ともそれを求め、答えてみせた。
信頼からなる勝利。
「終わりだっ!」
受け取った剣をクロスはケルベロスの頭に突き刺した。
かけ声同様に力強く、深々と。尋常ではない返り血で、刺した部分は急所と分かり。
『――――』
弱々しく鳴いたケルベロスが、勝負の終わりを告げようとしていた。


