姫様とウサ耳はえた金髪童顔



叫んだのは、さながら暴れ馬にでも乗っているかのようなクロス。


頭についた羽虫を吹き飛ばそうとケルベロスは頭を振り続けていた。それに負けてやるかと黒い毛を掴みながら、クロスは耐えていた。


「おい、聞いてんのか、ネコっ。姫と三人で帰んのに一人だけ寝てるんじゃねえよ!」


「っ、うるさいウサギだ……」


言われなくとも立つと言いたげに――剣を杖代わりにして彼は立ち上がった。


血と唾が混ざった液体を吐く。口の中が切れたわけじゃない、内臓からの出血だろう。


直立するだけでもこんなに困難とは、ロードにとって実に不快で。


「ロードっ!」


片手を伸ばして、自分の名を呼ぶあいつが不愉快だった。


何を望んで手を伸ばしたか。――分かってしまうのも、しゃくに障る。