その敵なのだが――くらりと体を斜めにした。
何とか四本足をがっしりとさせたが、目をつむったり、開けたり。ぶるぶると全身の毛並みを揺らすほど体を振った。
「たまにはお前も役立つな、見直してやったぞ、ロード」
「ふん、俺の手柄とは言い難いがな」
使えないと捨てた銃の価値があがる。
格段に勝利が近づいたのは言うまでもない。
「倒すぞ、クロス。分かるな、俺は左」
「おうさ、お前もミスすんなよ」
好機を見いだした剣士がかける。
ケルベロスとて、彼らが向かってくるのが分かったが――体が思うように動かない。
口で食べようとした――が、地面を噛み砕くだけで中は空っぽ。
視界外となった羽虫の居場所は――前足から伝わる痛みで悟った。


