「クニモト、帽子って……」
単細胞馬鹿でもさすがに気づいたか、聞くなりクロスは彼を卑怯者呼ばわりした。
お茶会を開いていた国本にロードは助けられたという。
国本には役柄がなかったが、もとの役柄は何だったのかを考えれば、あのお茶会の主催者というだけで自然と答えが出てきた。
答えを遠ざけたのは、帽子屋の象徴的なシルクハットをロードがかぶっていたから。帽子屋以外の役ならば分からないなと、国本に関してはあまり考えなかったクロスだったが。
ついで、もう一つ。
アリスの世界で重要とも言えよう役柄が、抜けていた。
ロードのネコ耳で、白猫ミーを思い出す。チェシャ猫だと思っていたが、その正体は門番だったミー。
ならば、の話だ。
本当のチェシャ猫は、どこにいるのか。
「帽子屋なんて名乗りやがって、本当はチェシャ猫だったのかよ!」


