「だから、何を救えば良いのですか。また紅茶ぶっかけたら――失礼、紅茶を浴びさせたら答えますか?」
「答えるも何も。ビルディが気づかないのが意外だのぅ」
「私は万能ではないんでね。第一、万能完璧はあなたの方だ。私にまでは及ばなくとも、“治せること”はあなたにだってできる。
どうして、出来るのにわざわざ私を――」
はたりと止まる。
わざわざ私を、の部分で彼女は違和感を覚えた。
そうだ。そう考えれば、どうしてこの災厄は彼を救えと会わせたのか。
できるのにしないではなく、しないのは――災厄が彼を救わないのは。
「あやつの傷は……そなたぐらいでしか癒せぬ。余が知る内では、そなたしか心当たりがなかった」


