ひとしきり笑い終え、大きく息を吸って、彼女は指を鳴らした。
ぱちん。軽い音。
そんなことをすれば、びしょ濡れの顔が乾いた。
水滴、液体、全てが丸い粒になって彼女から“離れる”。
眼帯に染みた液体も、ドレスについたシミまでも水滴となり離れて、落ちた。
何事もなかったかのような姿。平然としたラグナロクは、ただビルディを見つめる。
「さすがは“我が対等”。よく矛盾点を見つけた」
「よくも何もない。言ったでしょう、最初から疑問だった。お茶会したいというのに、わざわざ“遠回りする道”を歩ませた点に。
だから思った。あなたはこの“遠回りする道の観測者”。観測者の性格を知る私が、その方の観測理由を知るのは造作もない。
幻聴だろうとも、あなたの笑い声が何度か頭の中で響きましたよ」


